もう5月ですね。新緑がまぶしい季節になり、心もちょっぴり浮き浮きします。でも、緊急事態宣言の影響で、毎年の大型連休とはちょっと勝手が違うとは思います。海にも行きたい、山にも行きたい。緊急事態宣言が延長され、まだしばらくは、我慢の日々・・というところでしょうか。
私はこの季節になると、いつも「潮干狩り」を思い出します。父の号令の下、小さな熊手のような道具とプラバケツを手に、家族4人父のニッサンサニーに乗り込み、30分ほどで隣町の海浜へ。まばゆいばかりの光を放つ浜辺を見下ろす堤防に立つと、芳醇な潮の香りに包み込まれます。すでに何組もの親子が、あっちでガリガリ、こっちでガーリガリと、無我夢中で砂を掘っています。

なにぶんにも、あのころは晩御飯にも直結しますので、みんな懸命です。
私もクルマを降りると、堤防とテトラポットを乗り越え、波打ち際まで駆け出し、負けじとガリガリ始めます。何せ、地元の人間のみぞ知る穴場(今は無理ですが)。柔らかな波に洗われながら、すぐにかわいらしい3センチほどの小ぶりのアサリが姿を見せました。指でつまんで初夏の日差しにかざしてみると、おにぎり型のふっくらした貝の膨らみに、心が躍ります。
社名の「オーシャンサイド・ジャパン」は、学生時代に留学していた米国カリフォルニア州南部の町「オーシャンサイド」からいただきました。海辺のオーシャンサイド桟橋から見える夕日がとてもきれいでした。脱サラして会社を興すとき、いずれ貿易会社として日米の架け橋になりたい、オーシャンサイド桟橋から眺めたあの夕日に誓う思いで名付けました。
ちょうど10年前、創業10周年を記念し、オリジナルTシャツを作りました。


一部にはこういったイラストが・・・
こんな感じです。Tシャツの前面だけに貝を総柄で施しています。後ろにはありません。あの、幼いころに見た小さな貝を、総柄にしたらきっとかわいいだろうな・・。うちのデザイナーさんのこだわりでもあります。
実は、ディック・ブルーナのデザインで、貝のものはめったにないのです。私たちも数々の関連商品を取り扱ってきましたが、お目にかかることはありませんでした。
創業10周年を機に、オリジナル商品を作りたい。当時は当社としても、オリジナル商品の開発は悲願でした。どうせ挑戦するなら、今までにないものを。貝に注目したのも、まだ知られていないブルーナさんの優れたデザインを、世に伝えたいという思いもありました。東京の浅草橋にあった創業100年の老舗メーカーさんにご協力をいただき、やっとの思いで貝の総柄Tシャツを実現しました。
あれから10年。商品化に協力していただいたメーカーさんは、もうありません。残念ながら、同じTシャツを作ることも、もうできません。
商品には、開発者のさまざまな思いが詰まっています。またことしも潮干狩りの季節が巡ってきました。総柄の貝のTシャツを見るたび、さまざまな思い出がよみがえります。それとともに、さらいよい商品を、ミッフィーを愛してくださる皆さんにお届けしたいという思いを新たにします。
種類は激減しておりますが、当時制作したTシャツたちはこれです。
◆ブルーナ×ブルーナコレクション